📝 この記事を書いた理由
「ブルーマジックを塗る前に、ピカールで下地処理をする意味はあるのか?」——これが気になっていました。今回、長期間ほぼ放置されていた予備車のホイールを磨く機会があったので、右側はピカールで下地を作ってからブルーマジック(以下BM)、左側はBM単独と、同じ車両・同じ日に分けて磨き比べてみました。差が出たのか、手間に見合ったのか、正直に書いています。
※この記事で言う「検証」は、研究室での厳密な検証ではありません。現役トラックドライバーが現場で実際に磨いて、本当のところどうなのかを自分の手で確かめる、という意味の検証です。
- 下地ありの右側の方が、見た目は綺麗に仕上がった — ただし鏡面まではいかず
- 下地なし(BM単独)の左側は、くすみがいろいろな箇所で残った — 全体は明るくなるが、スッキリとはいかない
- 下地ありは工程が一つ増えるぶん、時間も手間もかかる
- つまり状態が悪い(長期放置・くすみが強い)ホイールほど、下地処理の効果が出る。普段から手入れしているホイールならBM単独でも足りることが多い
※同じ検証の中で「下地材にピカールネリとピカール液どちらが使いやすいか」「BM単独でも通常磨きと水研ぎで差は出るか」は、それぞれ別記事に分けました(本記事末尾にリンク)。
日々の業務をこなしながら車両を綺麗に保っているトラックドライバーの皆さま、いつもお疲れ様です。
今回の車両について
磨いたのは、会社で予備車として置いてあるトラックのホイールです。かつては専任のドライバーがいたのですが、その人がいなくなってからは担当が決まらず、洗車も滅多にされないまま長く眠っていた一台。登録から約19年が経っています。ホイールは全体が白っぽくくすみ、お世辞にも綺麗とは言えない状態でした。
聞いている範囲では、このホイールがピカールで磨かれたのは過去に2回ほど。あとは手つかずです。とはいえ、その2回より前にどんな手入れがされていたのかは、私には分かりません。下地処理が効くかどうかを見るなら、これくらいくすみが進んだホイールの方がむしろ差が見えやすい——そう考えて、この車両を題材に選びました。
磨き分けの設計(4輪を2条件×2パターンで)
今回は、左右で「下地処理のあり/なし」を分けました。さらにその中で、右側は下地材を2種類、左側はBMの磨き方を2種類に分けています。
この記事では、「右側=下地あり」と「左側=下地なし」のグループ単位の仕上がりの差に注目します。右側の中のネリと液の違い、左側の中の通常と水研ぎの違いは、それぞれ別記事に切り出しました。
| 車両 | 予備車(以前は担当者あり・登録約19年・最近ほぼ放置) |
|---|---|
| ホイール状態 | 全体が白くくすみ。過去のピカール磨きは2回程度 |
| 下準備 | 中性洗剤で洗浄(撮影前に実施)→ これがBefore状態 |
| 右側(下地あり) | ピカール(右前=ネリ/右中=液)で下地 → ブルーマジックを重ね |
| 左側(下地なし) | ブルーマジック単独(左前=通常/左中=水研ぎ) |
| 磨いた輪 | 右前・右中・左前・左中 の4輪 |
※使った道具の詳細は道具一式の記事に、磨き剤そのものの比較は磨き剤4種の比較記事にまとめています。
撮影条件について
写真は、なるべく立ち位置・距離・カメラの角度を揃えて撮っています。とはいえ4輪を一つずつ順番に磨いていく以上、撮るタイミングはどうしてもズレ、そのぶん日差しの向きや映り込む景色も変わります。ですから写真の比べ合わせは、あくまで雰囲気をつかむための目安と考えてください。なお、どのBefore写真も中性洗剤で一度洗ったあとの状態を写したものです。
下地ありの右側:仕上がり
右側は、ピカールで下地を作ってからブルーマジックを重ねた2輪です。下記は「磨く前(洗浄後)」と「下地→BMまで終えた後」の比較です。
右前(下地:ピカールネリ → BM)
右中(下地:ピカール液 → BM)
下地なしの左側:仕上がり
左側は、下地処理なしでブルーマジック単独で磨いた2輪です。
左前(BM単独・通常磨き)
左中(BM単独・水研ぎ)
磨き終わった後の正直な感触
結論から言うと、下地ありの右側の方が、見た目は綺麗に仕上がりました。ピカールで一度くすみと汚れの層を落としてからBMを重ねたぶん、表面の透明感が一段違いました。ただし、これだけ状態の悪いホイールなので、鏡面と呼べるところまではいきませんでした。
一方、下地なし(BM単独)の左側は、くすみがいろいろな箇所で残りました。全体としては磨く前より明るくはなりますが、近くで見ると曇りが点々と残っていて、右側ほどスッキリとはいきません。BMは成分が細かいので表面を整える力はありますが、長年積もったくすみを一気に落とす力までは無い、というのが今回も改めて感じたところです。
つまり、状態が悪いホイールほど、ピカールでの下地処理が効いてくる。これが今回の一番の収穫でした。下地で「土台」を作ってからBMで仕上げる、という順番には意味があります。
ただし、下地ありには手間という代償がある
いいことばかりではありません。下地ありは、ピカールで磨く工程がまるごと一つ増えます。BM単独なら1輪あたりの磨きで済むところに、その前のピカール下地が乗るぶん、時間も体力も明らかに余計にかかりました。
左側のBM単独は1輪あたり20〜30分ほどでしたが、右側の下地ありはその前にピカール工程が加わるので、トータルではさらに時間がかかっています。4輪・6輪と数が増えれば、この差はそのまま全体の作業時間に効いてきます。
結局、下地処理はやった方がいいのか
今回の体験から、私なりの線引きはこうです。
- 長期間磨いていない・くすみが強いホイール → 下地処理(ピカール)を入れた方が、仕上がりがはっきり良くなる。今回の右側がこれ
- 普段から定期的に磨いていて、くすみが軽いホイール → BM単独でも十分なことが多い。わざわざ下地を入れなくても、BMだけで整う
言い換えると、下地処理は「リセット作業」です。長く放置して悪くなった状態を一度リセットするには下地が効きますが、すでに整っているホイールなら、毎回BMで維持していけば下地はそうそう要りません。実際、普段から手入れされた別の同僚ホイールにBMを重ねたこちらの記録では、ピカール水研ぎ済みの下地があったぶん、BMは仕上げの2〜3割としてスッと効きました。下地の状態で、BMの役割そのものが変わってきます。
この体験の限界・前提
- 「下地あり」と「下地なし」を左右で分けた比較である — 同じ1輪で下地の有無だけを切り替えたわけではなく、左右の輪の個体差(汚れ方・日当たり)も結果に混ざっています
- 下地ありグループの中身は右前=ネリ・右中=液と統一していない — 「下地あり」とひと括りにしていますが内訳は2種類です(詳しくは別記事)
- 下地なしグループも左前=通常・左中=水研ぎで磨き方が違う — こちらの内訳も別記事に切り出しています
- 試したのは1台・1回かぎり — 別の車両や別の日に、同じ差が出るとは限りません
- 過去の磨き回数は聞き取りと記憶頼り — 登録からの年数(約19年)は把握していますが、磨いた回数までは正確な記録ではありません
- 撮影の光線条件はそろっていない — 写真の比較は目安として見てください
- 私はプロの磨き屋ではありません — 力の入れ方や回数しだいで結果は動きます
まとめQ&A
この検証のほかの2記事
- 下地材はピカールネリとピカール液どっちが使いやすい|現場で使い比べた正直な比較 ← 右側の中の違い
- ブルーマジックの水研ぎは効果あるか|通常磨きと同じ車両で比較 ← 左側の中の違い